料理と味覚について

自慢じゃないが、ぼくは舌には自信がある。
小さい頃から、親が育ててくれた家庭菜園の野菜を食べてきたからだ。
家で料理が出てくれば、その野菜が家で採れたものか、スーパーで買ってきたものか、一口食べればすぐに分かる。

最近、そんなぼくの舌に磨きがかかってきた。(ような気がする)
レストランなどで一度食べ物を口にすれば、どういう味付けかまで分かるようになった。


なぜか?

それは、大学で一人暮らしをするようになって、自分で料理をするようになったからだ。
それまでは、あくまで「消費者」として食べるだけだった自分が、作り手に回ることで、より料理を「味わえる」ようになったのだ。


思えば、このことは何も料理に限ったことではないだろう。

大学で研究をするようになってから「面白い本」をいっそう面白く「味わえる」ようになった。
研究する前までは、「知る面白さ」しかわからなかったが、「つくる」という文脈の中で本を読むと、より一層深みのある「味わい方」ができるようになった。

そういえば、「スラムダンク」を面白く読んでいたのは、自分がサッカーをやっていたからかもしれない。


「つくって」みる、「やって」みる、「アウトプット」してみる。

ちょっと重い腰を上げて、このことを実行してみると、より楽しい人生の味わい方ができるのかもしれない。