対談:井関先生×井庭先生

今日、井庭先生が、SFCの元学部長である井関先生と対談した。「デジタルメディア時代における知の原理を探る」や「創発パラダイムの転換」などは、輪読文献で読んでいたが、目の前で話を聞いたのは初めてだった。

以下、感想を箇条書きで紹介したいと思います。


□コンテクストについて
今のウェブには、大量のコンテンツがネットワーク上に張り巡らされているが、そこにコンテクストがないものが多すぎる。研究も同じで、コンテンツだけをつくってもだめで、それをどのようなコンテクストで語るか、が重要。
コンテクストとは、まさしく、地図の描き方そのものだ。

創発環境について
21世紀の創発環境のキーポイントは、「場」と「余白」と「物語」である。人が集まってこれるような「場」と、その人びとが自分が切り込んでいける「余白」、そして、全体を位置づける「物語」である。Linuxオープンソース開発には、まさしくこれがあった。オープンソースという「場」と、未完成のプログラムという「余白」、みなで完成させるという「物語」である。「物語」は、シナリオプランニングに通じるところがあるし、「余白」は、共感の演出そのものだ。

□研究の目標について
井庭さんも、井関さんも、「自分の研究に最終目標があるわけではない」と述べていた。すなわち、自分が好奇心のままに突き進み、産み出してきたところが自分の境界となっているということだ。井関さんは、「知的好奇心」を「液状の知性」と名づけていた。つまり、固体としてのコンテンツの隙間に、どこへでもしみこんでいけるのが「好奇心」ということだ。
ぼくの場合で言えば、「面白い地図」をこれからつくっていきたい。そして、そのために、「新しい地図を描ける『道具』」をつくれる人になる。


うん。

今日は行ってよかった。