「バカの壁」「養老孟司の<逆さメガネ>」について

養老孟司 「バカの壁」&「養老孟司の<逆さメガネ>」

養老孟司さんのこの2冊を読んだ。養老さんは「バカの壁」でやたら有名になったが、この本が出る前の脳科学や生命、情報について語っている本のほうが個人的には好きだ。


バカの壁」から刺激を受けたところ。

□情報は変わらない、変わるのは人間、という話。

「生き物というのは、どんどん変化していくシステムだけれども、情報というのはその中で止まっているものを指している。流転しないものを情報と呼び、昔の人はそれを錯覚して真理と呼んだ。真理は動かない、不変だ、と思っていた。実はそうではなく、不変なのは情報、人間は流転する、ということを意識しなければならない」p54



「<逆さメガネ>」から刺激を受けたところ

□現実は人それぞれ、という話

「現実とはなにか。それは皆さんの『行動に影響を与えるもの』なんです。だからそれは、『人によって違う』。・・・。チラッと見えたものが百円玉なら、たぶん足が止まる。つまり百円玉は皆さんの「行動に影響する」わけです。ところが見えたのがヒボゾウムシだと、立ち止まらない。私の定義では、それならヒボゾウムシは、皆さんにとって「現実ではない」が、百円玉は「現実である」というわけです。」p28


□システム論について

「固定したもの、止まったものを集めて、生きたものが作れるかという話です。生きたものをどうやって作るか、どうやって上手にイカを泳がせるかという話です。それがシステム論なんです。生き物は、おびただしい種類の要素が複雑に組み合わさっているのに、上手に動いています。つまりシステムというものの典型なのです。社会のシステムは知らず知らずにそれを真似して作られています。日本経済がうまく動かない、政治がうまくいかない、それはシステムがうまく動いていないということです。
(このことを踏まえた時)死にそうになったイカをどうやって生き返らせるか、上手に泳がせるか、それはやったことがない。」p170


□多様性について

「多様性の高い社会を作らなければなりません。一律ではなく、さまざまな能力が活かされる可能性が高い社会です。」p187


自分は、システム論を使ってどんなリアリティを構築しようか。