智場「井庭先生×増田直樹さん」対談

Glocomのこの対談を読んだ。ネットワーク科学のこれからについて、とても興味深い対談を交わしていた。特にぼくが興味をそそられたのは、「ネットワークのダイナミクスのとらえ方」だ。


井庭先生も、増田さんも、「これまではどれもスナップショットにおける構造の分析だった」として現状のネットワーク分析をとらえている。たとえば、ある時点における構造とか、ある構造における人の動きなどである。この限界は、たとえば、リンクが次にどう張られるか、という時に、ノードやノード間の特徴として具体的に考えなければならない点がある。

この限界を、井庭先生は、「システム論の文脈でネットワーク科学を語る」ということを構想していると述べている。つまり、「ある構造における機能をとらえるのではなく、どのような機能や振る舞いがどのような構造を作り、それがどう機能や振る舞いに影響するのか」というシステムの研究である。

そして、これをとらえるために、構造に注目してきたネットワーク科学、時系列に注目してきた経済物理学(経済物理学は、時系列のパターンにべき乗をみた。らしい。)を組み合わせられないか、ということだ。複雑系科学、ネットワーク科学、経済物理学には、「シミュレーション」という共通項があるので、これを使って、うまく方法論を構築することができるのか。


ここ一年は、井庭先生・熊坂先生のもと、そんなことを考え、手を動かしていきたい。