短い書評「17歳のための世界と日本の見方」(松岡正剛)

久しぶりの更新です。松岡正剛のこの本を読んでみました。松岡正剛は、「情報は関係性だ」という捉え方をしているのが面白い。


「料理をすることも、研究開発をすることも、プロジェクトを組み立てることも、作曲したり踊ったりすることも、編集なんです。・・・。これらのことを一言でいうと、「新しい関係性を発見していく」ということなんですね。・・・。世の中には物理学やファッションや医療やお笑いなどが、ばらばらに散らばっています。これはもったいない状態です。私はこれらのあいだをつなげて、そこに新しい関係を発見したいのです。」(p10)


「情報というのは区別しなければ見えてこないんです。区別できていないもの、漠然として情報にならないんですね。・・・。目の前の情報をどうやって区別していくかということが『編集』のはじめの一歩になるんですね。もっと言うと、情報をどうやって区切ったかということによって、そこから読み取れる『意味』が変わってくるんです。それができればその次に、その区別した情報を新たな視点でつないでいくことができます。見方をさまざまに組み替えていくことができる。そうすると、そこに新しい関係が発見される。」(p12)



あと、「物語の語り部」という話も面白かった。

「『語り部』というのは、『物語を語る人』という意味です。もっといえば、『物語の専門集団』です。・・・。物語には、一族や民族のなかに『集団的な自分』とか『集団的な自己』が生まれなければなりません。そうでないと物語にならないんですね。三歳のころのわれわれと同じように、物語を編集する語り部たちは、共同体の記憶のようなものを自己組織化したり、自己編集化したのです。」(p66)


自分も、「SFC」や「井庭研究会」、「野菜のソムリエ」という共同体の語り部となって、自己組織化・自己編集化していきたい。