SFC Review名言集

今年(2010年)の4月ぐらいに出たSFC Reviewで、色々な教員の方にインタビューとっていて、その中の名言をメモっておく。

村井さん「SFCだからといって学部や大学院のうちに分野を超えて無理して横につながらなくてもいい。卒業してからもつながることができるという余裕が生まれれば、SFCで学んでいる間は、一つの専門にどっぷりつかり、自分の世界に集中するという選択もできると思うんだよね」

上山さん「基礎学力もないのに先端事象を学んでも身につかない。基礎科目(統計、経済、法律など)を充実させる。古典を読んで大いに語るゼミをやる。1、2年は脳の筋トレをみっちりやる。そのかわり、3、4年では問題解決の実地の世界に入る。教科書のない世界で格闘して挫折し、泣き、そしていつの間にか大人になる。」

脇田さん「実学とは、自らの身体を投入して未知の世界を明らかにしていくこと、だと思います。」「コラボレーションとは、自分がある分野のプロフェッショナルになって初めて成り立つものです。まずは自分のコアになるスキルと知識をしっかりと身につけることが必要でしょう。何かのプロフェッショナルになること。そのうえで、チームをワークさせられるコミュニケーションスキルがあればなお良い」

奥田さん「問題は常に個別的に現われるが、その解決に向けての知は総合的かつ包括的でなければならない」

神成さん「実学とは、自分が必要とする素材を実社会から引き出し、自分の手法で表現する能力を培う学問技法であるということ。それは、独自の視野・視座・視点を持つことでもあり、客観性・相対性の獲得にもつながる。」「独自の問題発見・問題解決を推進するためには、基礎的な技法を収得した上で独自の分析手法やツールを開発していくことが求められる。自分が求める価値は、自分自身の手法や道具で発見し、解決へと導かなければいけない。」

坂井さん「必要なスキルは営業能力だと思う。・・・営業というのは、相手の話を聞くことなんですよね。相手にどういう課題があるかっていうことをしらないと、こっちは提案を出せない。」「SFCでは、学生一人一人が専門分野を二つ以上持てるような多様性のあるジェネラリストになることが必要ですね。デザインと数学とか、デザインと数学とか、そういった組み合わせで新しいスペシャリストが生まれていくと良いね。」

三次さん「必要なスキルは2つのタイプがあると思う。一つは、基礎体力。例えば、調査する能力、プロジェクトにコミットし続ける力、日本語で書く・読む・話す・聞く力、分からないときに的確な質問をする力。次に、分野や領域固有の社会で必要とされる専門的なスキル。例えば、プログラミングや電子回路の作り方などの技術、考えや知恵の出し方などでしょう。」

「ちがうな、と思ったら、次の学期から別のプロジェクトに参加すればいい。ただし、常に全力投球して、与えられた環境でベストを尽くすことが不可欠。全力投球しないままで、また別のプロジェクトに移るというのだと、中途半端になってしまうのが目に見えている。」

内藤さん「一般に問題を解決することは、問題を発見するよりずっと簡単で、諸分野でそのための方法論が体系化されています。適切な問題を発見するには、その分野に関するしっかりとした最新の知識が必要です。さらに、自分なりの視点を持って考え抜かなければ、オリジナルでありながら価値のある問題を発見することは難しいでしょう。」「現代社会ではあらゆる分野に専門家がいて、専門分野を掘り下げています。それでも見逃されている重要な問題は、えてして、歴史的・人工的な区割りである、専門分野で括れない境界領域、学問領域に転がっているものです。専門を深めることは重要ですが、専門だけにあぐらをかいている、問題解決マシンになってしまうかもしれません。」


加藤文俊さん「実学とは、言えるけどできない(実行力不全)、できるけど言えない(説明力不全)、という二つのギャップに向き合い、頭と身体で考え、行動することです。」

阿川さん「問題解決ができるに足る、問題発見能力をたたきこんでいるか、それが問題です。一つは、事実は何かをみつけて整理し記述すること。もう一つは、争点は何かを見つけて整理し記述すること。・・・問題を見つけるには、万全足る基礎学力ととことん自分の頭で考え抜く持久力と、それを記述し整理する文章力・論理性が必要です。」