プレゼンは結論から話すべきか?

会社の研修で、プレゼン合宿や3分間スピーチなど、「話して伝える」訓練をすることが多い。私がとても苦手としている分野である。ここで、最近実感として学んだコツをメモしておきたい。

それは、「結論から話すべきではない」ということである。

なぜなら、いきなり本題から話し始めても、まだ聞き手は説明を受ける気になっていないからである。なぜ自分がその説明を受けなければならないのか、相手が把握できていないのである。そのため、内容に興味を持っていない相手に説明するときは、話の冒頭で、新たに興味を持ってもらえるように働きかけなければならない。

そのためには、「問い」の形をつくることである。「問い」とは、理想に対してうまくいっていない現実や、困難な状況にいかに対応したらよいか、ということである。いずれにしても、「問い」に共感してもらう必要がある。


ある本(*)によると、話し出し/書き出しの基本構成は「背景→現状→疑問→回答」によって成り立つようだ。

背景(客観的事実):「自体はこうなっている」という、相手が既知の情報
現状(主観的事実):「それによって、あなたにこんな問題が発生しています」という、現状の解釈
疑問(問い):「その事態を改善するために何をするべきか?」という、回答の形式を定める形の問い
回答:「○○する必要がある」「○○という対策を取るべきだ」


このように、一番言いたい「結論(=上記の「回答」)」は、必ずしも最初に書くべきではないのである。もちろん、「話しだし/書き出し」なので、「最初の方」には書くべきであり、この後、「その理由は・・・」として話を進めることになる。

そういえば、大学院時代、「Nature」の形式で論文のアブストを書いていた時も、結論は、「現状→問い」を示した後だったなぁ。


*「SEが28歳までに身につける28の力」 石川説明堂 技術評論社 2009