保守の経験をする必要性

新規開発をする同期を見ていて、自分の技術面での未熟さに焦る。OracleにしてもMicroStrategyにしても、0から構築する経験をしないことには、なかなかツールに慣れない。保守の仕事では、極めて部分的な箇所に修正を入れることが多いので、ツールの機能に触れるのも限られてきてしまうのである。そんな訳で、配属直後に保守の仕事を志願したのは失敗だったのではないかと、ずいぶん悩んだ。

もちろん、上記の面は少なからずあるが、配属直後に保守の経験をしたことでよかったこともある(はずだ、と思いたい)。それは、自分が新規開発に携わる際、保守の仕事を意識した開発ができることだ。例えば設計書。新規開発をするSEにとって、設計書を作成することは面倒で無駄なことだと思われがちだ。しかし保守の仕事をしていると、見やすく分かりやすい設計書がいかに重宝されるか、よくわかる。自分には、保守の仕事をする人の立場を考えた設計書が書けるはずである。

もう一つある、それは、要件定義書をきちんと作成し、残しておけ、ということだ。保守の仕事をすると、なぜその機能が必要だったのか、という疑問が出ることが少なくない。引き継いだメンバーの判断だけでは、「やっぱり必要だった」という事態になりかねない。また、必要なくなった機能を消すべきかどうかの判断もつかない。

要は、後世のために文書を作成し、残しておけ、ということなのだ。保守の経験をすることで、それがいかに大切か、身をもって知ることができた。