俳句メモ20180307

神田川
祭りの中を
ながれけり
久保田万太郎
賑やかな祭りと対比されて、ひっそりと静かに、いつもと変わらぬ姿で流れる川が目に浮かぶ。動に対する静、非日常に対する日常の対比が面白い。


限りなく
降る雪何を
もらたすや
西東三鬼
見渡す限り、どこまでも降り積もり続けている雪を前に、人間の無力感や虚無感を詠んだ句。


一月の
川一月の
谷の中
飯田龍太
一月の川が一月の谷の中を流れている、という、当たり前の景色をあえて句にすることで、自然が四季折々に姿を変えることを改めて気づかせてくれる。一時の景色を描写することで、大きな時間の流れ、循環を感じられるのが素敵。