ロジックの構成方法

4月に入り、いよいよ社会人生活がスタートした。最初3ヶ月は研修になるが、朝のディスカッションや報告書の作成、3分間スピーチなど、ロジカルシンキングのスキルが求められる場面が少なくない。ここで、簡単にまとめておきたい。


■メッセージの構成要素
メッセージは、基本的に、「問題」「結論」「根拠」「相手に求めるリアクション」で構成される。「問題」に対する「結論」、「結論」に対する「根拠」のロジックが適切に組まれているかで、メッセージがよいかどうかが決まる。
・「問題」:何かしら困難なこと、常識では考えられない不可思議なこと、など。
・「結論」:問題に対して対処すべき具体的な方法論
・「根拠」:結論を導く理由
・「相手に求めるリアクション」:理解なのか、フィードバックか、行動なのか。業務連絡や事務連絡では理解が、賛成か反対かではフィードバックが、営業や依頼では行動が、リアクションとして求められることになる。報告書では理解、朝のディスカッションではフィードバック、3分間スピーチでは行動が求められる。


■ロジック構成のパターン
ロジックの構成は、縦の関係は「So What?/Why So?」で、横の関係はMECEによって、階層構造が組み立てられる。MECEな関係をつくるには、2軸で4象限に分類するのが基本的で強力だと思われる。特に、横の関係では、「並列型」と「解説型」がある。
・「並列型」:根拠を並列する形。
・「解説型」:根拠を、「事実→判断基準→判断内容」として順序を組み立てる点。これも、客観的事実/主観的な判断というMECEな構造が組まれている。


■シンプルでストロングなメッセージとロジックを
結局のところ、メッセージが印象的であり、読み手/聞き手にロジックが明快に伝えなければ、報告書やスピーチの意味がない。


【参考】
「考える技術・書く技術:問題解決力を伸ばすピラミッド原則」 バーバラ・ミント(原著) 山崎康司(訳) ダイヤモンド社 1998年 (原著は、"The Pyramid Principle: Logic in Writing & Thinking" Barbara Minto, 1992)
「創造的論文の書き方」 伊丹敬之 有斐閣 2001年
「『超』文章法」 野口悠紀雄 中公新書 2002年
「ロジカル・シンキング:論理的な思考と構成のスキル」 照屋華子・岡田恵子 東洋経済 2001年
「論理トレーニング」 野矢茂樹 産業図書 1997年